涙がこぼれる季節(とき)【完】
翌日の勉強会。


悠斗の部屋に結衣たちが入って来るなり、


「ほれ」


悠斗が2人に写真を渡した。


「え、もうプリントしてくれたの? 嬉しい、ありがと~」



結衣の、飛びっきりの笑顔。


このために、悠斗は尽力するのだ。



「ちょうどコンビに行ったからさ」


平静を装いつつも、結衣に向けられた目は喜びを隠せていなかった。



「悠斗、サンキュー」

「あ? ……ああ」



しかし、吉崎には素っ気無い対応。



いくらなんでも、それはないでしょ。


私は心の中で突っ込んだ。

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