涙がこぼれる季節(とき)【完】
「来年も行けたらいいね」


結衣が甘えるように吉崎をみつめると、


「別れてるかもしれないから?」


悠斗がすかさず茶化した。


「違います~。部活で行けないかもしれないからです~」


結衣は悠斗にプリプリしてみせた後、


「でも、修ちゃんと一緒なら、部活でもいいけどね」


吉崎に向かって、可愛らしく微笑んだ。



結衣は、ただただ、本心を素直にさらけ出しているだけ。


何も悪くない。



だが、悠斗は、気持ちを抑え切れなかったようだ。

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