涙がこぼれる季節(とき)【完】
「じゃあ、どうする気?」

「…………」


吉崎が答えられないことは、最初からわかっていた。



十分悩ませたところで、


「断言はできないけど。

結衣のこと好きだったら、他の男子と一緒に帰らせたり、2人きりの写真撮ってあげたり、誕生日に2人きりにさせたりしないんじゃない?」


あくまでも、一般的な根拠を挙げると、


「……確かに」


悠斗が例外だなんて夢にも思わず、吉崎はあっさり納得したのだった。

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