涙がこぼれる季節(とき)【完】
「ちょっと、落ち着いて。2人のことは、もう前から気づいてたから」

「え……なんで?」

「そりゃ、母親ですから。なんとなく、わかるわよ。それに、部活引退してから、毎日2人で帰ってるでしょ」



だけど、バレないように途中で別れていたのに……。



「母親の勘とネットワークを甘くみちゃ、ダメよ」


おばさんは額を壁に立て掛けると、


「あ、貴子さんも知ってるわよ」


ニヤッと笑って、部屋を出て行った。



貴子さんというのは、オレの母親。



本日二度目の衝撃的事実に、オレは頭を抱えた。

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