涙がこぼれる季節(とき)【完】
<松山悠斗>


1月下旬、俺たち4人はK高を単願で受験し、無事合格した。


単願合格者には課題が出され、休日、4人集まって取り組んでいた。



「そういえば、結衣たち、高校入ったらどうすんの?」


ずっと気になっていたことを、俺はさりげなく切り出した。



「野球部入るよ、2人で」

「じゃあ、隠れてつき合うんだ?」

「ううん」

「じゃ、どうするんだよ?」

「つき合うの、やめる」



俺には、2人の、甘っちょろい考えが手に取るようにわかった。



「そんで、友達に戻りますってか?」



この2人は何もわかってない。

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