涙がこぼれる季節(とき)【完】
「……せっかく、上手くできたのに」


結衣が泣き出し、私は悠斗を呪った。


「大丈夫だよ。今から材料買いに行って、明日帰ってきてから、また作ろ」




なんとかなだめて2人で外に出ると、隣家の窓から悠斗が様子をうかがっていた。


さすがにやり過ぎたと反省したらしい。





だが、果たして。


こんなに愚かな行動の理由――。




結衣への気持ちを、悠斗は自覚することができたのだろうか。

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