涙がこぼれる季節(とき)【完】
3月最後の土曜日。
結衣と一緒にいられるのは、今日まで。
明日から、K高での練習が始まるのだ。
結衣の部屋で課題をやっていたが、結衣はずっと大人しかった。
オレも悠斗も佐伯も、もちろんその理由がわかっていたから空気を明るくしようとふざけてみたが。
結衣は口元に笑みを浮かべるだけで、声を出すことはなかった。
「んじゃ、そろそろ帰るか――あ~、明日からの練習、緊張するな~」
悠斗が伸びをしたのを合図に帰り支度を始め、部屋を出ようとした時。
結衣の涙に気づいた。
「……結衣?」
オレが結衣の顔を覗き込むと、悠斗たちも気がついて、
「オレ、トイレ行ってくらぁ」
「私も、結衣ママに聞きたいことあったんだよね」
そそくさと部屋を出て行った。
結衣と一緒にいられるのは、今日まで。
明日から、K高での練習が始まるのだ。
結衣の部屋で課題をやっていたが、結衣はずっと大人しかった。
オレも悠斗も佐伯も、もちろんその理由がわかっていたから空気を明るくしようとふざけてみたが。
結衣は口元に笑みを浮かべるだけで、声を出すことはなかった。
「んじゃ、そろそろ帰るか――あ~、明日からの練習、緊張するな~」
悠斗が伸びをしたのを合図に帰り支度を始め、部屋を出ようとした時。
結衣の涙に気づいた。
「……結衣?」
オレが結衣の顔を覗き込むと、悠斗たちも気がついて、
「オレ、トイレ行ってくらぁ」
「私も、結衣ママに聞きたいことあったんだよね」
そそくさと部屋を出て行った。