涙がこぼれる季節(とき)【完】
「……修ちゃん」


今日初めて耳にした、結衣の声。




やっぱり別れたくない――。



もしかしたら結衣が言い出すのではないかと一瞬身構えたが、






「……大好き」






オレを困らせたくないという結衣の気持ちが痛いほど伝わってきた。






「オレ、絶対レギュラーになって、甲子園に行くから」





オレは、結衣を思いきり抱きしめた。

< 166 / 200 >

この作品をシェア

pagetop