涙がこぼれる季節(とき)【完】
帰り道、私と2人だけになると、


「秋大の修ちゃん、めっちゃカッコよかったから、北山さんが好きになっちゃったのもわかるけどさ~。

修ちゃんまで楽しそうにすること、ないじゃんね」


結衣は不満を爆発させた、かと思うと、


「このまま北山さんに迫られたら、修ちゃんの方も好きになっちゃうかも……」


急に沈み込んだ。


「大丈夫だよ。吉崎は、結衣に夢中なんだから」


言いながら、結衣を慰めるのは本当に久しぶりだと気がついた。



入学してからずっと吉崎と話せずにいるのに、意外にも、結衣が落ち込むことはなかったからだ。

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