涙がこぼれる季節(とき)【完】
閉会式を終えて学校に戻ると、レギュラーメンバーより一足先に戻っていたみんなが拍手で迎えてくれた。


その中から、


「ちょっと、この人なんとかして~」


美桜が結衣の肩を抱いて、レギュラーメンバー――俺の隣りのシュウの前へ連れて来た。



結衣の顔は、涙でグシャグシャ。



「泣きすぎだろ~」

「この後写真撮るんだぞ~」


俺たちは結衣をからかったが、





「だって……うれしい……から」





途切れ途切れの涙声と、






「ほんとに……ずっと、ずっと……夢だったから……」





止まらない涙ーー。


俺だけでなく、みんなが、もらい泣きしてしまった。


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