涙がこぼれる季節(とき)【完】
<水沢結衣>
野球部の3年生でバーベキューをすることになり、約束の時間に女子4人で行くと、もう準備が整っていた。
「今までほんと、ありがとう」
部員のみんなに言われて、私たちは思わず涙ぐんでしまった。
「さあ、席着いて。食べようぜ」
私が案内されたのは、なんと、修ちゃんの隣りの席。
嬉しさを隠すために、向かいの本田と森とばかりしゃべっていた。
ペットボトルのお茶を飲もうとして固いフタを何度かひねっていると、
「かしてみ」
修ちゃんの手が、私の手に触れた。
私に向けられた瞳――本田と森が見ているのに、修ちゃんの瞳には優しさがあふれていた。
「今日はほんと、良い天気だな」
「ほんと。あっついよな」
本田と森が、額から流れる汗をしきりに拭っていた。
野球部の3年生でバーベキューをすることになり、約束の時間に女子4人で行くと、もう準備が整っていた。
「今までほんと、ありがとう」
部員のみんなに言われて、私たちは思わず涙ぐんでしまった。
「さあ、席着いて。食べようぜ」
私が案内されたのは、なんと、修ちゃんの隣りの席。
嬉しさを隠すために、向かいの本田と森とばかりしゃべっていた。
ペットボトルのお茶を飲もうとして固いフタを何度かひねっていると、
「かしてみ」
修ちゃんの手が、私の手に触れた。
私に向けられた瞳――本田と森が見ているのに、修ちゃんの瞳には優しさがあふれていた。
「今日はほんと、良い天気だな」
「ほんと。あっついよな」
本田と森が、額から流れる汗をしきりに拭っていた。