涙がこぼれる季節(とき)【完】
「アホかッ。いつまでチンタラやっとんねん。練習せぇへんのやったら、とっとと出て行かんかいッ」



美桜ちゃん――13歳美少女。


この豹変ぶりに、やはり全員が固まった。



ただ、A少年団以外の野球チームに入っていた1、2年生の間に、


もしかして、これがあの――。


納得しているような空気が流れたのも、事実。



「あ、いや……スイマセン」


センパイたちは、茫然と練習を開始して。



それ以来、S中野球部では、練習中にふざける者は1人もいなくなった。

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