涙がこぼれる季節(とき)【完】
俺は、結衣とシュウが笑い合っている姿を想像したが、できなかった。



笑いかける結衣に対し、シュウは緊張のあまり、ろくに返事もできない。


想像の中でさえ、シュウはダメダメなヤツだった。


だが、2人の時間が増えれば変わるのかもしれない。



……もしも、変わることができないなら、それはもう、シュウ自身の責任だ。



「しょうがねぇな、協力してやるか」


俺は美桜に、結衣とシュウが2人きりでいられる時間を作ってやろう、と提案した。

< 47 / 200 >

この作品をシェア

pagetop