涙がこぼれる季節(とき)【完】
「だって、おじいちゃんの具合が悪いんだから、しょうがないよ」


「は?」「え?」「んん?」


「あ、おばあちゃん、だった?」


シュウはいったい何を言っているのだ?


俺には理解不能だったが、


「あー、そうそう。そうです」


状況を把握したらしく、美桜が慌ててうなずいた。


「おばあちゃんの具合が悪いのよ」


焦ったせいで、もう標準語に戻っていた。


「それじゃ、元気じゃいられないって」


「だけど、吉崎は理由に気づいたからそう思えるんだろうけど、他の部員は何も知らないんだよ。

もし、理由知らなかったら、こんな結衣のことどう思う?

ちょっと、想像してみて」


「……うん」

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