涙がこぼれる季節(とき)【完】
<吉崎修太郎>
修学旅行は、定番の京都・奈良。
友達と騒いで笑ってそれなりに楽しかったが、クラスが違う水沢とはほとんど会えなくて、それだけが不満だった。
夜、旅館のロビーで、数人の女子が桐谷と写真を撮っていた。
桐谷が水沢を好きだということは学年中の誰もが知っていたが、それでも、超イケメンの桐谷はモテていた。
嬉しそうな女子を見ているうちに、オレは気づいてしまった。
水沢と一緒に写っている写真は、野球部の集合写真数枚だけだ、と。
最少でも20人、最多のものは50人以上。
しかも、2人の距離は遠かった。
修学旅行は、定番の京都・奈良。
友達と騒いで笑ってそれなりに楽しかったが、クラスが違う水沢とはほとんど会えなくて、それだけが不満だった。
夜、旅館のロビーで、数人の女子が桐谷と写真を撮っていた。
桐谷が水沢を好きだということは学年中の誰もが知っていたが、それでも、超イケメンの桐谷はモテていた。
嬉しそうな女子を見ているうちに、オレは気づいてしまった。
水沢と一緒に写っている写真は、野球部の集合写真数枚だけだ、と。
最少でも20人、最多のものは50人以上。
しかも、2人の距離は遠かった。