涙がこぼれる季節(とき)【完】
なんとか確認する方法はないか、と部屋を見回すと、ケータイが目に入った。


そうだ!

電話して、「修ちゃん」と結衣が言ってくれたら現実で、「吉崎」だったら、夢。


その場合には、間違えてかけた、とごまかせばいい。



我ながらナイスアイデア、とケータイを手にして、愕然とした。


結衣のケー番も、メアドも、知らなかったのだ。




これはもう、夢の可能性――。


はてしなく、大。

< 86 / 200 >

この作品をシェア

pagetop