涙がこぼれる季節(とき)【完】
オレはまた夢か現かわからなくなるほど舞い上がりそうになったが、


「あ、メアドとケー番教えて」


その時のための、証拠保全。



ケータイを出すと、


「誰の?」


オレに名前を言わせようとして、結衣はいたずらっぽく笑った。


「ゆ……結衣の」


オレがちゃんと約束を守ったことを見届けると、結衣はケータイを取り出した。



メアドとケー番と、ピンクのケータイ。


カエルの人形のストラップ――。



今日新たに知った、結衣のこと。

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