涙がこぼれる季節(とき)【完】
翌日の昼休み。

職員室の前で、結衣の担任――カトセンに呼び止められた。


「悪いけど、水沢呼んで来てくれ」

「……ハイ」


オレはちょっと複雑な気分だった。


今までこんな用を頼まれたことは一度もなく、どうせなら、結衣としゃべれなかった1年生の頃に頼まれたかった、なんて。

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