殺し屋の愛し方
男の持っていた銃が宙を舞い、カタンッと地面に落とされて、クルクルと回っている。
私は目を見開いた。
少し長い金髪を自由に遊ばせて、黒色のスーツを着こなした15~6才ほどの
男の子がアーモンド型の形のいい瞳で睨みながら金の獅子の装飾がほどこされている銃をむけていた。
「お前ら、ご婦人相手に何をしている!」
「ちっ。なんだこいつ!」
「俺は中央を仕切るキング·レオンの者だ。テメーらこそ何やってやがる。
ここが、キングの敷地内ってこと忘れてんのか。あんまり喚くと
テメーらの口に弾、ブッパなつぞ」
こんな状況だからこそ、その言葉が救いの手なんだと思った。
母はそんな間に、私を隠すように多いかぶさり
金髪が男達を引き付けているあいだに、ひどく焦って私に言った。
「いいかい。私にもしものことがあったらこの先にある
バラ屋敷駆け込んで、レオという男に今お前が持っているカバンの中を
渡しなさい」