殺し屋の愛し方





私の名前は、ルナ。

生まれてからずっと、この娼婦街のルーチェ街に住んでいて、今年で、6才になる。

私には父はいないが、母がいる。

母は、娼婦達から毛嫌いされていたけれど、6年間見てきたどの女よりも美しかった。

しんなりと歩くその姿はとても綺麗だったけれど、私は舞を舞う母の方が好きだった。

母は時々、皆には隠れて誰もいない所でひっそりと、言葉も出ないほど美しい舞を舞う。








ーーーー……それはまるで、王宮に住む王女のようで






母は、娼婦という仕事が嫌いだと言っていた。




………だから、お前にはーーーー…。




いつもそこまで言いかけると、決まって何かを硬く決心するかの様な顔をした。

とても美しかった。今思うと、あれが母の顔なんだったと思う。







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