森田当麻の奇妙事件簿
「俺達が行ったとき、ネックレスなんてありませんでした」
たしかに、当麻が行ったとき、ネックレスなどなかったはずだ。
「ああ。俺も思ったが、見落としてたんだろうよ。ほら。あの場にいた時間。短かったし」
皆藤が笑顔をみせた。
本当にそうだろうか。指輪などならともかく、ネックレスを見落とすだろうか。
当麻は何かスッキリしない気持ちで窓の外をみた。
夕日が静かに水平線上に消えていった。