森田当麻の奇妙事件簿
夜。
時刻は夜中の午前2時を回っていた。
静かな探偵社のオフィスに時計の針だけが響き渡る。
当麻はどこか分からない暗闇の中を歩いていた。
まただ。
前も後ろも、自分がどの方向を向いているのかさえも分からない程の暗闇。
この間の夢と似ている。
そのとき。遠くで波の音がした。
その音は次第に近づいてきて、いつの間にか暗闇は深海に包まれていた。
暗い……海の中。
海の中なのに息はできる。