森田当麻の奇妙事件簿
第2章

当麻の秘密


「えっ……?」

人が死ぬ予知夢?

固まる優衣に当麻が優しく笑った。

「日向と皆藤刑事以外には言ってないんだけどな。予知夢の事。」

「人が死ぬ、予知夢って……どういう意味ですか?」

「……体質みたいなもの。俺と何らかの形で関わった奴らが死ぬときに……みるんだよ。夢を。それが現実となって現れる」

言い終えると、当麻の優衣の腕をつかむ力が強くなった。

「……苦しいですか」

優衣の腕を掴む手が小刻みに震えていた。

「苦しいに決まってるだろ。毎回、どこかの暗闇にいるんだ。右も左も分からない、暗闇。」
< 149 / 319 >

この作品をシェア

pagetop