森田当麻の奇妙事件簿

「……皆藤刑事。その女性は?」

富山が割り込んできた。

そうか。富山は優衣と初対面だ。

「この子は当麻の彼女で……」

「「違います」」

当麻と優衣の声が重なり、皆藤の言葉を遮る。

「ったく。二人して照れるなよ」

「照れてません」

当麻が真顔で答えた。

皆藤はボケを諦め、紹介を続ける。

「当麻の事務所の新人探偵の山中優衣ちゃんだ。」

「山中優衣です」

優衣が笑顔で富山をみた。

その瞬間、富山の顔がタコのように真っ赤になる。

分かりやすい。
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