森田当麻の奇妙事件簿

優衣は笑顔でうなずくと、立ち上がった。

「和樹さん。さっきの質問に答えてください。」

優衣が和樹を睨みつけて聞く。

「さっきの?……ああ。昨日の夜はこの部屋にいて家から出てないよ」

「それを証明する人は?」

優衣に代わって当麻が聞いた。

「う~ん。脇田がずっと部屋の前にいたから、証明してくれると思うけど」

「分かりました。ありがとうございます」

優衣が礼を言って部屋を出ようとした時。

和樹が優衣を呼び止めた。 

「何ですか?」

「俺が欲しくなったらいつでも来ていいからな」

和樹がウィンクした。

優衣は顔を歪ませる。

「結構です!!」

思いきり扉を閉めてやった。
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