森田当麻の奇妙事件簿

「裏表の激しい人ですね……」

優衣が言うと、富山がうなずいた。

「ああいう人は苦手です。」

「俺もだよ」

皆藤が首を横に振った。

だが、当麻は三人の会話に耳も貸さず、丹念に資料を読んでいる。

「皆藤刑事」

「あん?」

「昨日の海は満潮といいましたよね」

そういう当麻の視線は資料に向いたまま。
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