森田当麻の奇妙事件簿

「遺産目当てよ」

優衣の言葉を麗奈が遮った。

艶めかしい唇を赤い舌で舐める。

「和樹とね、話してたのよ。あんな両親いなければ遺産は全て和樹のもの。そして、私にも山分け。素敵な計画でしょう?」

「……紀之さんは知っていたんですか?」

「知るはずないわ。和樹との関係だって、あの人気づいてないんだもの。笑っちゃう」

大声をあげて笑う麗奈。
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