森田当麻の奇妙事件簿

「……香織さんを殺せば、あと殺すのは紀之さん。だが、紀之さんは……知っていた。倉敷麗奈が和樹と付き合っていて、自分達を殺そうとしていることも」

次の瞬間、今まで余裕だった麗奈の目が見開いた。

「まさか……。冗談やめてよ」

「冗談じゃない。紀之さんはたった一人で香織さんを陥れた犯人を探した。それにつれて、分かったんだよ。そして、和樹さんに問い詰めた。違うか?」

当麻に睨まれ、和樹はうなずいた。

「ああ。だから、殺したんだよ。脇田にアリバイ工作を練ってもらってな」

「……でも、私まだ聞いてません。あの、紀之さんを殺した方法……」
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