森田当麻の奇妙事件簿

「……脇田」

和樹が刺された腹を手で抑える。

その手は血で染まっていた。

「はい。何でしょう」

「……ありが……とな。捕まるの……覚悟で……俺のために……」

脇田は静かに首を横に振った。

「母さんと……父さんに……会えるかな」

和樹がすこし笑った。脇田がうなずく。
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