心做し
1.誕生
2014年  4月




「よし…出来た…。
頼む…動いてくれ…」





「ぁ…」

 



「きた!!!!」





「…始めまして、ご主人様」





「よしよしよしよし…!!!!
いいぞ!!完成だ!!」





「何かご用件があれば、すぐにかけつけますので。」





「いいか、お前の名前は“龍馬”だ。」





「はい。」





僕は、こうして生まれたーー。
永遠にご主人様のそばにいるつもりだった。





2014年  9月





「…龍馬。すまない…。」





「どうしましたか。ご主人様。」


 


「…お前を売ることにした。」





「そうですか。」





「本当にすまない…。
お前を売りでもしないと…娘が…。娘の病気が…。」





「ご主人様がお望みならば、構いません。」





「龍馬ーーー。お前は幸せになれ。俺よりもっといいご主人様が必ず見つかるさ…。」





僕は辛くなどなかった。
それがご主人様の望みならば、何があろうと必ず成し遂げる。
それが僕の使命だ。
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