狼少年と黒猫さん
「勝手にしてろー。」
言い放ったが、最後が伸びたことに少し恥ずかしさを忍ばせる。
「る~ふっふふ~タ~ラーラララァ」
お風呂から、不気味な歌声がした。
なんの歌だろ。
「ヘイヘーイ…。フッーフー…。」
あー、わかった。
カフェで流れていた歌だな。
「おい、何やってんだよ。」
お風呂の外から聞いてみる。
「きゃー、覗きですかー…変態だー。」
のんびりと、棒読みで言う黒猫。
「嫌、不気味な歌声だったからさー。」
「……うっ、五月蝿いな。しょうがないでしょ?…苦手なんだから。」
脳内に、黒猫が音痴なんだ…と笑いが起きたが殺される気がして却下した。
「あ、パジャマおいとくぜ。…僕の姉の古着でいいなら。」
「あー、そりゃあ…嬉しいです。助かります」
ありがとー。と、言う黒猫。
「ん~…ラーラララァ…フッーフー」
そして、鼻歌を歌い始める。