Two×Love 〜2人目の運命の人〜

大好きな人の大好きな人 〜未菜side〜


“未菜”って初めてあたしの名前を呼んでくれたのかと思った。


けど

顔を上げて櫂を見ると、あたしではなく違うところを見ていた。



視線の先には

3人組の女の子達――…


櫂が見ているのは、おそらくその中の1人。


はしゃぐ周りの2人をよそに、ピタッと動きを止めて、何か言いたそうにその子も櫂を見ていたからすぐにわかる。



あたしの単純な第一印象は

カワイイ人……って。


「お人形さんみたい」っていう例えをよく使うけど、本当にその言葉がピッタリ。


色白の肌に、澄んだ黒目、薄いピンク色の唇、肩にかかる巻き髪が女のあたしから見ても色っぽくて、それでいて童顔なの。


2人はどんな関係なんだろう?

元カノとか?



「知り合いなの?」って聞いても、櫂から返事がない。

それ以前に、あたしの声が聞こえてないみたいで、ジッと立ち尽くして動こうとしない。


空には少し灰色の雲がかかっていて、吹き抜ける夜風が冷たくなったように感じられた。
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