Two×Love 〜2人目の運命の人〜
「美菜!!」
今度は力強く櫂が名前を呼ぶと
その子は崩れ落ちるように膝をついて泣き始めた。
いきなりの事で櫂と彼女以外この状況を全く把握できない。
周りにいた友達もわけが分からずオドオドしていて、あたしも呆気にとられていた。
「ごめん、美菜…」
「触らないでっ!!」
抱きかかえようとして近づいた櫂の手を彼女はバシッと叩いた。
「俺、ちゃんと謝りたくて…」
そう言った櫂の顔は可哀想なぐらい寂しそうだった。
話の内容は全然あたしにはわからないけど、1つだけわかったのは
櫂の冷たい瞳の理由に彼女が関係してるって事。
「でももう…何も変わらないじゃん…」
そう言い残して彼女はどこかに走っていってしまった。
握り拳をつくって、思いっきり地面を殴る櫂。