Two×Love 〜2人目の運命の人〜
「ごめん、トイレ」
俺は立ち上がって、女の子達とハシャいでる勇馬の席に向かった。
「俺、限界。帰るわ」
勇馬の膝の上に三千円を置いて俺は店を出た。
もともと自己紹介が終わるまで席に座ってるっていうのが勇馬との約束だったし。
やっぱり俺にはわからない。
こうまでして人が出会いを求める理由が…。
この世にはやっぱり“運命”ってないの?
生まれた瞬間から、まるで磁石で引き寄せられるようなたった1つの出会い。
そう…
俺が“アイツ”に出会えたみたいに。
外に出て、深呼吸を1つするといつもより空気ががおいしかった。
いつの間にか辺りは真っ暗。
7月だけど、夜は風が冷たく、まだ肌寒い。
もう帰ろう…。
その時だった――…