Le Petit PrincesseII
部屋に一人残されたルドルフは考えた。

ルドルフは今まで、自分は唯一の一人息子として愛され、大事に育てられてきたのだと信じていた。

だが、やっと生まれてきた後継ぎとして、次期国王として、完璧な人間を作り出そうとしていただけなのではないか?
ルドルフはそう思うようになってしまった。




そしてある程度成長すると、ルドルフは他の国の王子と比べられるようになった。




「隣国のアルフォンス王国の次期国王候補はみんな優秀な方ばかりなんですってね!」


「ルドルフ様は一人息子ですから、選べない分頑張っていただかなければなりませんよね。」


そんな城の使用人達の噂でさえ、彼にとってはかなりのプレッシャーだった。


だが彼はそんなプレッシャーに負けないよう、血の滲むような努力の末に、周りの国の王子とは比にならないほどの実力を身につけた。
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