Le Petit PrincesseII

泣いてる人魚姫

魔法学校の授業は午前で終わるらしく、二人は下校途中だった。






「ねぇステファニー、何か人集りできてるよ?」


「行ってみる?」



二人は好奇心から、人集りの中を覗いてみることにした。

人々の目線の先は何故か海の中にあるようだ。





「魔界で私なんて珍しくないでしょう⁈
ほんとにいい見世物だわ!」



声のする方を見ると、そこには赤い髪の人魚がいた。

それもすすり泣いている。




「大丈夫ですか?」


ステファニーは恐る恐る聞いてみると、人魚は顔を上げた。

何と、ステファニーも見た事のない紫の瞳だったのだ。
< 22 / 115 >

この作品をシェア

pagetop