Le Petit PrincesseII
「ヴァレンティーヌ、ずっとここにいるのもなんだし、散歩に行かないか?」


ヴァレンティーヌはその問いに大きく頷く。




二人はふらっと散歩に出ると、城下街を歩いた。


金曜日の夜と言うこともあり、思ったよりも人が多かった。


ヴァレンティーヌは見た事のない町の様子に、いつもよりはしゃいでいた。




「ヴァレンティーヌ、これ食べる?」


ブライアンが指をさしたのはソフトクリームだ。


ヴァレンティーヌは見慣れない物体に首を傾げたが、ブライアンの好意を嬉しく思って頷いた。




ブライアンがソフトクリームを二つ持ってくると、ヴァレンティーヌは嬉しそうに受け取った。


ブライアンがソフトクリームを口に運ぶのを見てから、ヴァレンティーヌも口に入れてみる。



ヴァレンティーヌはその冷たさに思わずビックリして体を震わせると、ブライアンが楽しそうに笑った。



「食べるの初めてか!美味しい?」



ヴァレンティーヌはからかわれた事に少しむくれながらも頷いた。



「よかった!」


そう言って笑顔を向けるブライアンを見て、ヴァレンティーヌは胸が高鳴った。
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