Le Petit PrincesseII
ブライアンはヴァレンティーヌを探しに海辺に来ていた。


元人魚だったとはいえ、人間であるヴァレンティーヌはもちろん吸血鬼に狙われやすい。
そんなヴァレンティーヌが一人で外を歩けばどうなるかなど、安易に想像がつく。


ブライアンは焦る気持ちを抑えながら辺りを見回した。

すると、ある所で目が止まった。


「…あんな所に銅像…?」


砂浜の上に、等身大の少女らしき銅像があったのだ。


銅像に近付こうと歩みを進めると、ブライアンのシャツの裾が引っ張られた。



「ヴァレンティーヌ!びっくりしたじゃないか!」


ブライアンが言うと、ヴァレンティーヌはにっこりと笑った。
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