Le Petit PrincesseII
二人は外に出ると、大きな船に人がたくさん乗っているのが見えた。
「あの船…もしかしたら船の上で結婚式するんじゃない⁈」
「でも船があんな所まで進んでるわ…」
二人は砂浜の上でさまよっていると、ふと少女の実物大の銅像が目に入った。
「これ、どう見てもヴァレンティーヌだよね?」
「鎖骨にタトゥーみたいなのも入ってるわ!」
「やっぱりあの男の言ってる事は本当だったんだ!」
「止めなきゃ…結婚式!」
「…でもどうやってあそこまで行くの?」
気がつけば船はどんどん小さくなっていた。
「うわぁっ!」
見るとエリックは、足元にあった流木につまずいていた。
「…そうだ!私たちは魔法使いよ?これに乗って行きましょう!」
フローラが目を輝かせると、エリックもハッとしたように顔を上げた。