Le Petit PrincesseII
「ヴァレンティーヌ様が契約をした魔女は、もう何百年という年月を生きています。」
「な、何百年って…」
「あの魔女は、人魚から人間になるという魔法に呪いをかけています。
その魔法にかかっている呪いというのは、声と引き換えに足を手に入れ、三日目の日没までにキスをされなければ海の泡になってしまう、というものです。そして残念ながら、呪いのかかっている魔法と言うのは、上手くいく事はまず無理でしょう。」
「…無理…だったの?」
「…えぇ。そして魔女は、魔法が失敗に終わってしまった人魚達を宝箱の中に入れ、そのエネルギーで何百年も生きているのです。」
「…それって…」
「えぇ。ですから、その魔女の宝箱を壊す事で魔女は滅びることでしょう。
そしてその宝箱の中に閉じ込められていた人魚達も解放されます。」
「それじゃあその魔女の宝箱を壊してしまえばいいのね!」
「ですが…人魚になって魔女を探し出し、宝箱も手に入れなければなりません…。」
「大丈夫だよ!」
「…ですがあの魔女の力は計り知れません。」
「大丈夫ですよ!」
「あ、それならおじさんもついてきてよ!」
エリックはそう言っておじさんに笑顔を向けた。