Le Petit PrincesseII
だがその願いも虚しく、外で遊んでいるとすぐに城の者に見つかってしまった。



「ルドルフ様!こんな所に!」


城の者はルドルフを自分側に引き寄せると、クリスティーナに汚い物でも見るような目を向けた。


クリスティーナの母は、外の様子がおかしい事に気づき、慌ててドアを開けた。


「お前、この娘の母か?」


「え、えぇ。そうですが…」


「馴れ馴れしくその汚い娘をルドルフ様に近付けるでない!」


クリスティーナの母はその言葉に息を飲んだ。そして悔しそうな、悲しそうな顔を浮かべながら頭を下げた。


「待って!クリスティーナとお母さんは僕を助けてくれたんだ!パンも分けてもらったよ⁈」


ルドルフは必死に悪い人ではないと言うことを伝えたが、城の者はクリスティーナとその母の方を見もせずに、ルドルフを馬車に乗せた。


馬車の窓から見えるクリスティーナと母は、金色の髪を風になびかせ、青い瞳を悲しげに揺らしていた。
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