Pastel Lover
言葉を素直に受け入れるのに、少しだけ時間がかかった。それから、体中の血液が突沸したように熱くなる感覚に襲われた。言った彼の方も恥ずかしかったのだろう、口元を手で覆ってそっぽを向いた。
「やっぱり慣れない言葉使うと照れますね」
「...わ、わたしだって恥ずかしいよ」
「でも、本心ですから」
自覚がなかったわけじゃない。言われ続けていたから。でも、すごく恥ずかしかった。すごく嬉しかった。
今日、悩みに悩んで妥協して着てきた服は、襟にビューのついた白のブラウスに、水色ストライプの膝丈スカート、少しだけヒールのあるパンプス。普段着だけど、変に慣れないお洒落して落ち着かないよりよかったのかも。少し長めのスカートがいちばん落ち着く。
「じゃあ、行きましょうか」
ふわふわ、ふわふわ。
変な感覚。
「あの、桐山くん」
わたしの横に並んで歩き出した。そこでわたしは下を向いたまま、自分の想ったことをそのまま口に出そうと思った。
頭上から、彼の視線が降ってくる。
ドキドキ、心臓の鳴る音が聞こえる。彼も、こんなだったんだろうか。
「桐山くんも、...かっこいいよ、」