君が為
「ーーー他所ごと考えてんじゃねぇよ」
「あっ………‼︎」
藤堂さんの重い一撃に、手が痛いぐらい痺れる。
「そんなんじゃ、不逞浪士にバッサリ斬られても文句は言えねぇぜっ‼」
「いっ……‼︎」
藤堂さんの木刀が、綺麗なまでに私の木刀を弾き飛ばした。
数メートル後ろから、木刀が地に落ちる乾いた音が聞こえてくる。
「強くなりたいと言ったのは、お前だろ……自分の言った事ぐらい、責任持てよ」
吐き捨てるようにそう言われた。
「は……はい」
私はただ唇を噛みしめる。
痛みなんて、感じなかった。
ただただ、悔しくて……
藤堂さんの言葉に言い返せなくて。
私は暫く立ち上がれないまま、握り締めた拳をずっと見ていた。