今宵、恋が舞う。
していない、と言うよりは、できない、と言った方が正しいのかも知れない。
私は、ある出来事があってから、恋愛に臆病になり、今も心に傷を持っているのだ。
一時期は、恋愛に対して抵抗感も持っていた程だ。
だからどうしても、「割り切ったお付き合い」になってしまい、どうも信じきれない。
私が悪いのは、分かっている。
愛想を尽かされる原因を持っているのも、分かってはいるのに。
最後は同じ終焉を迎えてしまう。
そのくせ、元々一人っ子であった私は、一人になるのが寂しいらしく、次がダメならまた次、と繰り返してしまうのだ。
「はぁ……」
何度目か分からないため息をついた途端、先月新調したばかりのスマホが部屋に鳴り響いた。
「誰よ……こんなときに」
メールの内容を確認すると、三宅課長からだった。