今宵、恋が舞う。
私は『了解しました。宜しくお願いします』と返信すると、冷蔵庫からビールを取り出し、一気に煽る。
別れた日は、必ずビールを一缶飲むと決めているのだ。普段はお酒が弱いため、ビールなど飲むことはないのだが。
だから、飲み会などには最低限しか参加していない。
「やっぱ、私から切り出すのも辛いな……」
1Kの小さな部屋に、部屋の半分を占めるテーブルにコツン、と空のビール缶を置く音が響く。
お酒に頼るのには、一日悲しみに浸り、また翌日から切り替えて頑張らなければ、という意味合いが込められている。
「よぉーーし!大河なんか忘れて、新しい恋探すぞーー!よし!寝よ!」
そう自分に喝を入れて、私はふかふかのベッドに横になると、すぐに意識を手放した。
━━━━課長からのメールの内容も忘れて。