今宵、恋が舞う。
「おい!俺にちゃん付けすんなって何度言ったら分かるんだ!……ったく、吉永もデスク戻っていいぞ」
「……はい、すみませんでした」
何だかんだ言って課長は、根岸さんには勝てないみたい。
そう思いながら、私はデスクへと戻った。
今日の会議に私は完全に遅刻をして、会社についた頃には会議室からぞろぞろと人が帰っていく頃になっていた。
そこで、不機嫌オーラ満載の課長に出くわし、首根っこを掴まれて、ほんのさっきまで課長直々にお説教を受けていたわけだ。
課長も、説教に時間をかけることが嫌いなため、さっさと言いたいことを伝えてデスクに戻らせてくれる。そこがなんとも課長らしい。
私はというと、昨日の傷心に塩を塗るような思いで、自分のデスクについた。
「今日も派手だったねーー。またやらかしたの、初美。いい加減学習しなさいよ」
「まーーそれがお前じゃね?初美のお説教タイムも日常茶飯事みたいなもんじゃん」