今宵、恋が舞う。
「二人とも……私に対する扱い、酷すぎ」
「だって初美、今月で何回目?」
そう言って私を笑うのは、同期の香川(かがわ) あかね。私と同い年の少しクールな女子だ。
「俺もう数えらんない。初美バカだもんな」
思いっきりバカにしてくるのは同期であり、中学時代からの腐れ縁である望月 幹太(もちづき かんた)。
この性根は昔から変わらない。
「どーせ私はバカですよーだ」
ぷいっとそっぽを向くと、あかねが私の頭を優しく撫でる。
「ごめんごめん。……んで?またダメだったんだ」
「……うん。今度は上手くいくと思ったんだけどね。失敗しちゃった」
えへへと笑いかけて見せる私とは裏腹に、あかねと幹太は曇った表情を見せた。