(編集中)
第一章

1.



◆水都side

くだらない。
つまらない。
周りを見ると、楽しそうに笑う人ばかり。

___何が楽しいんだ、一体。
教えてくれよ。

ここにあるたくさんのゲーム台も僕の興味を惹くことは無い。
いや、正しくは、"無くなった"…かな。


『おい、1位奪われてるぞ
 お前』

『え?嘘。何点差ー?』

『え?えっと…
 …ちょ、ちょっと待って…
 …え?…は?』

『は?なんだお前。
 ふざけんなっつの。
 どーせ100点とかその辺…
 は?』

『『10万点差...?!』』

『おいこっちもだぞ!』

『こっちも!』

『こっちもだ!』


その場にいたほとんどが顔を見合わせた。

『…壊れたんじゃね?』


誰かが言ったその一言は、異常に静まり返った空間に響いた。


『そっ…そうだよな!
 故障だよな!』


…故障するはず無くね?


『ほら、全部同じ名前だしっ』


同一人物だからね。


『あはは…
 誰だよMITOって…!』


僕ですけど。

全体に安堵の雰囲気が漂い始めた。
完全に機械が故障したものだと思い込んでいる。


「一生底辺にいろよ
 クズどもが」


ボソッと呟いたその言葉は、
きっと、誰にも届いてない。

そう、人間なんてみんなこんなもん。
自分より優れた者はいても、"圧倒的に"優れた者はいないと思ってる。
そう信じてるんだ。

だから、認めない。
認めずに、排除する。
何も見なかったことに。自分が劣っているなんて知りたくないから。

________汚い。

こんな世界、
なくなってしまえよ。




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