【完】強引に、キス- 年下騎士 -


「ハッ……ッ…ハッ」


俺は夢中で走り、音亜のいる所へ向かう。


公園につき、音亜を見つけて叫んだ。


「音亜っ!」


俺が名前を呼ぶと、寒さで鼻先を真っ赤にした音亜が振り向く


「幸司…ひゃっ」


「音亜、ボケッ!お前何してんだよっ!こんなに冷たくなって、彼氏はッ!?」


目の前までいくと、音亜の頬に、ホットの缶を当てて怒鳴りつけた。


こんな冷たくなるまでなにしてんだよ…っ


そう胸を傷めていると



「来ない…、」


俺の問いかけに、音亜はボロボロと目から涙を流して答えた


「…音亜」




「来ないよ…来ない………もう………やだぁ…っ」


ギュゥッ


俺は音亜を力の限り抱きしめた。そのまま音亜は胸の中でしばらく泣き続ける



こんな苦しそうに泣くなんて…


音亜が幸せならそれでいいと思った。


でも、こんなの全然幸せじゃねえ


胸の中で泣き続ける音亜の頭を撫でながら、俺の心は怒りであふれていた


俺が音亜を幸せにする…


< 100 / 146 >

この作品をシェア

pagetop