【完】強引に、キス- 年下騎士 -
プシューッ
電車を降りて、改札を出る。
音亜が来たのは沢山のブランド店が並ぶ大きなファッションモール。
「幸司、ついてきてね?」
「え?」
笑顔で話す音亜はいきなりペースアップして次々と店を回る。
「どっちがいーと思う?」
音亜の身体の前にあてられた色違いのワンピース。
赤か、黒か……
「あ…」
「黒だよね、やっぱり!」」
赤を選ぼうとした俺の言葉を聞こうともしないで自分で選ぶ。
よく言う、女の質問は聞いてるようで聞いてないって話、本当なんだなって思った。